なるほど整数論
■現在発見されている最大素数は1300 万桁に近い。数ではなく桁数である! とてつもなく大きな数である。ところが、無限からみれば、これはまだほんの序の口にすぎない。……これひとつをとっても、整数の世界がいかに深奥かを理解いただけるであろう。
■その初等整数論の魅力の一端を紹介したものである。もちろん、整数論が取り扱う範囲は広く、本書で、そのすべてを紹介できるわけではない。ただし、数論が持つ威力と魅力は理解いただけると期待している。
■本書を通して、多くの方が、整数論の面白さを実感していただければ幸甚である。そして、未解決問題の多い数論になんらかの貢献をしていただけることも祈っている。
目次
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
第1 章 整数の世界・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
1. 1. 整数 11
1. 2. 完全数 12
1. 3. 素数 15
1. 4. メルセンヌ数 16
1. 5. 友愛数 19
1. 6. 概完全数 20
第2 章 メルセンヌ数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
2. 1. メルセンヌ素数 22
2. 2. 素数判定法 26
2. 3. フェルマー数 32
第3 章 完全数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34
3. 1. 完全数とメルセンヌ数 34
3. 2. 約数関数 35
3. 3. 三角数 40
3. 4. 友愛数の指針 48
第4 章 素数と自然数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52
4. 1. 自然数のなかの素数 52
4. 2. 素数の数 61
4. 3. ゼータ関数 63
4. 4. 無限の不思議 67
補遺 関数の級数展開 69
第5 章 公約数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71
5. 1. 公約数 71
5. 2. ユークリッドの互除法 73
5. 3. 最大公約数 76
5. 4. 最小公倍数 77
5. 5. 3 数以上の公約数 80
5. 6. 1 次不定方程式 83
第6 章 合 同・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 92
6. 1. 整数の合同 92
6. 2. 合同式の性質 93
6. 3. 合同式における除法 102
6. 4. 合成数が法のときの合同 103
6. 5. 1 次合同方程式 108
6. 6. 連立1 次合同式 116
6. 7. リュカテストと合同 120
第7 章 フェルマーの小定理・・・・・・・・・・・・・・・ 122
7. 1. フェルマーの定理 122
7. 2. フェルマーの小定理の証明 128
7. 3. フェルマーの小定理の応用 133
7. 4. 素数判定 135
7. 5. 擬素数 139
第8 章 剰余類とオイラーの定理・・・・・・・・・・・・ 144
8. 1. 剰余類 145
8. 2. 既約剰余類 151
8. 3. オイラー関数 152
8. 4. オイラーの定理 154
8. 5. オイラー関数の導出方法 161
第9 章 位数と原始根・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 170
9. 1. 位数 170
9. 2. 原始根 171
9. 3. ウィルソンの定理 175
9. 4. 原始根の応用 179
第10 章 平方剰余・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 186
10. 1. 平方剰余 186
10. 2. オイラー基準 189
10. 3. 平方剰余の基本法則 194
10. 3. 1. ガウスの第一補充法則 195
10. 3. 2. ガウスの第二補充法則 197
10. 3. 3. ガウスの予備定理 199
10. 3. 4. 積の法則 209
第11 章 平方剰余の相互法則・・・・・・・・・・・・・・ 214
第12 章 高次合同方程式・・・・・・・・・・・・・・・・・ 227
12. 1. 平方根 227
12. 2. 剰余の平方化 229
12. 3. 1 元2 次合同方程式 235
12. 4. 因数分解による解法 240
12. 5. 判別式 244
12. 6. 法が合成数の場合の解法 246
12. 7. 3 次以上の合同方程式 248
12. 7. 1. 3 次合同方程式 248
12. 7. 2. 4 次合同方程式 251
12. 7. 3. n 次合同方程式 254
第13 章 フェルマー・ペル方程式・・・・・・・・・・・・・ 257
13. 1. ピタゴラス数 257
13. 2. 2 次不定方程式 261
13. 2. 1. 解の増殖 262
13. 2. 2. 解の漸化式 263
13. 2. 3. 2 個の解による増殖 268
13. 3. フェルマー・ペル方程式 271
13. 4. 方程式の一般解 273
13. 5. フェルマー・ペル方程式の応用 277
13. 5. 1. 平方根の近似 277
13. 5. 2. 平方三角数 280
13. 6. 解の特徴 282
13. 7. 任意のD の解法 285
第14 章 連分数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 288
14. 1. 有理数と無理数 288
14. 2. 連分数 288
14. 3. 循環連分数 296
14. 4. 近似分数 300
14. 5. フェルマー・ペル方程式の最小解 304
14. 6. 近似分数と係数 307
14. 7. フェルマー・ペル方程式の解の導出 314
第15 章 リュカテスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 320
15. 1. リュカテストによる素数判定 320
15. 2. フェルマー・ペル方程式の解の漸化式 321
15. 3. リュカテストにおけるSk の正体 324
15. 4. メルセンヌ素数の特徴 328
15. 5. リュカテストの証明 329
15. 6. リュカテストの必要条件 333
15. 7. リュカテストの十分条件 334
15. 8. リュカ数列 341
索 引 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 343