なるほど線形代数

村上雅人著/A5判248頁、本体2200円/ISBN4-87525-201-3
●著者「はじめに」から抜粋:■卒論生や大学院生に、大学数学で何が苦手か尋ねたところ、驚いたことに、線形代数と答えた学生が非常に多かった。■線形代数の構成要素に行列と行列式があるが、これらは名前は似ていても、その基本的考え方がまったく違っている。これを明確に認識せずに、中途半端な状態で連立1次方程式の解法を行っていると、その区別があいまいになって、気づくと講義が終わっているという具合である。 ■さらに、線形代数は20世紀物理界の最大の成果と呼ばれる量子力学の建設に大きな役割を果たしたのであるが、この事実が意外と認識されていない。■線形代数が単なる表記法だけの数学ではなく物理界を根底から変革する学問の建設に大きな役割を果たしたという事実を本書を通して認識していただければ幸いである。