なるほど量子力学III ――磁性入門

・村上雅人著/A5判260頁、本体価格:2800円/ISBN978-4-87525-249-8

left,画像の説明

■量子力学によって元素が有する磁性にも光が当てられた。ミクロ世界の磁性、これが本書のテーマである。電子が運動すれば磁場が発生する。しかし、原子内では、電子そのものがスピンと呼ばれる磁場を持っている。
■スピンそのものは、量子力学の数式展開によってえられたものではなく、物理現象を説明するために導入された概念であるが、それに量子力学を適用した結果、古典力学では説明のできない強磁性という性質が説明できるようになった。それは交換積分と呼ばれる項である。
■強磁性に関しては、系統的に解説している参考書がなかった。そのため、多くの章について、あらためて一から計算を始める必要があった。何人かの読者からは『量子力学III』はまだかという激励のメールをいただいたが、思いのほか時間を要してしまった。
■時間もかかったが、ある程度ミクロの世界の磁性について一般の方にもわかっていただける内容になったのではないかと思っている。

(本書「はじめに」より)