漱石の個人主義

もくじ
まえがき
第一部 私の個人主義 ──私は私自身を代表している
第一章 「文鳥」「夢十夜」「心」から探る〝意中の人〟──「それから」の前夜………19
第二章 楠緒・保治・金之助──テキスト外のこと  
第三章 愛せない男──市蔵(「彼岸過迄」)の燃えない愛と燃え上がる「嫉妬心」 ……49
第四章 「行人」──猜疑の拡散と、震源地・愛嬌のない女
  付 「行人」の二郎と三沢
第五章 「現代の青年に告ぐ」から「先生の遺書」へ──「野分」と「心」の間………97
  付 「心」と親鸞
第二部 漱石とその時代 ──性別・階層・国の壁
第七章 「三四郎」の〝絵を描く女〟と野上弥生子の「明暗」
第八章 幸徳秋水(「それから」)・満韓遊歴(「韓満所感」「満韓ところどころ」)・安重根
   ──漱石が一九〇九年から一九一一年にかけて経験したこと
第九章 進化する「細君」──「野分」「門」「道草」から「明暗」へ
第十章 持たざる者と持てる者 ──「明暗」の人々
「あとがき」にかえて ── 小説に遺された〝美しい女〟たち

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