分子間力物語

· 岡村和夫著/46判164頁、本体価格:1400円/ISBN978-4-87525-265-8

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 水滴が丸くなり、またコップの水の上に10円硬貨を浮かべられるのは、ご存じ、表面張力。では、表面張力とは?
 それは分子どうしに働く弱い作用がその正体であり、分子間力といわれる。それが身の回りの現象のみならず、生体防御機構で重要な役目をする抗原・抗体にも関係してくる。
 分子が分子を見分けるのである。その他さまざまな分子間力を、発見の歴史をふまえて紹介する。




=もくじ=
第1章 序論
  表面張力 特効薬
第2章 毛管現象と表面張力
  ヤングによる表面張力の定式化 ラプラスによる毛細管現象の定式化
第3章 気体の状態方程式からファン・デル・ワールスの状態方程式へ
第4章 分子間力の種
  クーロンの法則 分子間力と距離 分子間力の大きさ
第5章 分子認識化学へ
  生体にとって重要な分子間力 遺伝の機構 免疫系 脳神経系 感覚系 酵素反応 なぜ砂糖は甘いのだろうか

著者紹介
岡村 和夫
1956年山口県に生まれる。埼玉大学理工学部生化学科卒業後、岡山大学大学院・九州大学大学院に進学。理学博士。日本学術振興会奨励研究員、国立精神・神経センター流動研究員(ポスドク)を経て、1988年生化学工業(株)入社。同社より2002年セントルイス大学Pediatric Research Instituteへ長期出張。現在、中央研究所勤務