前立腺がんを生きる

『妻を看取る日』の著者、垣添忠生さん(日本対がん協会会長・国立がんセンター名誉総長)推薦!
……この本にはその知恵がつまっている。

そこには患者にしか語れない言葉がある
●定期的にPSAを測っていると値がだんだん上がってきたので、「おかしい、精密検査をやったほうがいい」と自ら主治医に提案した(PSA検査・検診)
●手術はできないと言われたとき、命そのものはあきらめた。弱り切った病人じゃなく、いかに尊厳を保って生きられるかを考えた(診断されたときの''気持ち)
●言い出しにくかったが、フィーリングの合う医師に主治医を替わってもらった。自分の考える治療法や話を聞いてくれる医師を選ぶことが大切だと思う(病院・医師の選択)
●できるけどしないのとできないのでは精神的に違うと思い、勃起神経温存を選んだ。術後すぐは多少よかったが、今は役に立たず、あきらめていても、やはりさびしい(手術と性機能障害)
●免疫細胞療法を受けてみたいが、ワンクール一〇〇万以上かかる。家族に何も残せないのに、わずかなお金すら自分のために使わせるのはと悩む(経済的負担)
●リビングウィルについて話し合うように言われた。家族が悩まぬようにしたいとは思うが、家族と自分の意思をまとめるのは非常に難しいと思った(家族の思い、家族への思い)

NPO法人 健康と病いの語りディペックス・ジャパン
●英国オックスフォード大学で作られているDIPEx(Database of Individual Patient Experiences)をモデルに、日本版の「健康と病いの語り」のデータベースを構築し、それを社会資源として活用していくことを目的として作られた。インタビューを通じて得られた「乳がんの語り」「前立腺がんの語り」「認知症の語り」をインターネット上に公開しているほか、これらの語りを積極的に医学教育や学術研究に活用している。