合気流浪

 

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好評「合気シリーズ」第3弾。技の恒常性を求めて原初の合気に戻ろうと決意、神戸稽古会を脱会した著者は、関東某市の師から合気がけのコツを学び、予定調和の舞台裏に迫る。そこで、ある驚異的な真実を知る……。さらなる合気の本質を求め流浪する著者の軌跡。

私は、『合気解明』及び『合気真伝』(共に海鳴社、二〇一〇年)にて、保江邦夫先生と初めてお会いしてからその合気の技を二度にわたって受け、驚きと共に「何故ああいった現象が起こるのか」を必死に考え、自分なりに説を立てて仲間達と共にその稽古に入り、ある程度の結果を出せるまでを描きました。……では一体どうすれば自分の動きを魂からの動きに切り替えることができるのかを、仲間達と共に模索してきたのです。…… ところで、その稽古生という立場を離れて、純粋な研究生という立場をもって発言を許されるなら、自らの動きを魂に直結させるための方法論は、他にも存在するかもしれません。事実、稽古をしておりますと、その技の種類によって異なる「やり方」などが発見されてきもします。だがこれはあくまでやり方であって、原理ではない。何故なら、原理は一つでなければならない。さらに、やり方ということは、身体の動かし方のことですから、それを意識するということはとりもなおさず意識からの動きとなってしまい、魂からのそれではなくなってしまうという矛盾を生んでしまいます。……その矛盾が……私に、起こったのです。それがどういう形で起こってしまったかは本編を読んでいただくとして、私は自分への反省からある行動を起こし、このたびの文章を認めたのでした。(「はじめに」より)

目次
はじめに

第一部
その一 リトルドール
その二 待ち望んだ依頼
その三 気配
その四 パーキンソン動かず
その五 錆びついた技
その六 本懐
その七 本性のほとばしり
その八 師の寿ぎ
その九 骨の気づき
その十 さらば! 神戸稽古会

第二部
その一 原初の合気に還れ
その二 予定調和の始動
その三 脅威の惣角系合気
その四 塚本整骨院
その五 進化する合気
その六 三層構造の謎
その七 魂合気道研究会・大野朝行先生のこと
その八 謎の古代文明カタカムナ
その九 カタカムナの意味と合気
その十 共時性

第三部
その一 予定調和の舞台裏
その二 神の道化師
 余章一 巨人・中村天風
その三 屈しない心
 余章二 狐狸乃里
その四 シュレーディンガーの猫
その五 時空を超えて――天風先生再考
その六 古刹へ
その七 ささやかな進歩
その八 拳友と合気上げと
その九 過去最大の気づき
終章 愛とは?

後日談
後書きにかえて

著者プロフィール
炭粉 良三(スミコ リョウゾウ)
1956年兵庫県生まれ。
長く空手の稽古にいそしみ、柔術や活法も習い修める。
2008年3月保江邦夫教授と邂逅、合気の技を目の当たりにし、同年7月その実戦性を知る。同時に合気に治療原理を発見。爾来、冠光寺流活法の完成に向け研究工夫の日々を送っている。

上記内容は本書刊行時のものです。