味ことばの世界

・瀬戸賢一・山本隆・楠見孝・澤井繁男・辻本智子・山口治彦・小山俊輔著/46判256頁、本体2500円/ISBN4-87525-223-4
● 本書は、各方面から好評をもって迎えられた『ことばは味を超える――美味しい表現の探究』の第二弾である。 「より広くより深くより美味しく」をモットーに、食とことばに卓越した多彩な客人を招いて一巻を編んだ。ことばで味わうにとどまらず、脳で味わい、心で味わい、体で味わい、比喩で味わい、語りで味わい、文学で味わう。『ことばは味を超える』が高い評価を得たのも、味そのものではなく、「味をことばでどう表現するか」というテーマがユニークであり、それをおしみなく提示したからだろう。本書は、この基本路線を踏まえて、さらに「なぜ味はことばで表現しにくいのか」という反面の真実にも注目する。つまり、味ことばはいかに「美味しい」と言わないかの勝負なのに対して、私たちはしばしば「美味しい」の一語で満足する。これはなぜか。この謎が明かされる。