心はどこまで脳にあるか     脳科学の最前線

大谷 悟著/46判264頁、本体価格:1800円/ISBN978-4-87525-253-5

left,画像の説明

テレパシーなんて!そう、怪しげな本もたくさんあります。しかし不思議な現象すべてを拒否してしまっていいのでしょうか。脳科学者の目で、これまでのいろいろな実験を検証。記憶の不思議に迫る―偽記憶を植え付けられて父親を近親相姦で訴えた話や、記憶を消去できる話など、興味津々の話題。心とは何かという昔からの人類の謎にも迫る―コンピュータで脳の代わりをさせる研究、テレパシーの研究、トラウマを消せるかもしれない研究、統合失調症やADHDに関係する前頭葉とドーパミンの研究―これらの研究を取り上げる。前著『みちくさ生物哲学』で渋沢クローデル賞特別賞を受賞した著者による脳科学の最前線。

序にかえて――おもしろい脳の本または学者の言いわけ
第1章 脳とESP研究――不思議な現象を探求した学者たち
第2章 脳の延長としての機械――意志を電信する技術
第3章 脳にきざまれた過去――記憶という不思議な現象
第4章 脳の中の司令官――前頭前野皮質の自我機能
第5章 脳科学のアヴァンギャルド――未来に向けて

著者略歴
大谷 悟
1961年埼玉県大宮市(現さいたま市)生まれ。1983年北海道大学獣医学部卒業。1989年ニュージーランド・オタゴ大学大学院博士課程修了(心理学・神経科学)。同年より、フランス国立衛生医学研究機構(INSERM)第29ユニット(パリ)、バージニア大学神経外科学部、ロッシュ分子生物学研究所(ニュージャージー州)、パリ第11大学理学部で研究。1997年INSERM上級研究官試験合格。現在パリ第6大学(ピエール・エ・マリー・キュリー大学)神経生物学研究所・神経可塑性グループリーダー。著書に『みちくさ生物哲学』(海鳴社、2000:第18回渋谷クローデル賞特別賞)