量子力学      観測と解釈問題

高林武彦・保江邦夫/A5判 200頁、2800円/ISBN4-87525-204-7

「古典力学では粒子とか剛体を目前に描く.電磁気学では電流や磁石や場を描く.量子力学になるとこの第一歩が容易でなくなる.量子は粒子でもあり波でもある.抽象的な,ヒルベルト空間のベクトルと物理的実体とは何の関係があるのか?」
「さらに,量子力学に解釈はいったい何で必要なのか,という動きが最近あちこちに見られるようになった.量子力学の数学的定式化は完成しており,……解釈はもはや不必要である,というわけである.……その結果,ギリシャ文字プサイだけが読者の目前に出てきて,物理的実体がかげに隠れてしまう.」
「(本書を見て)私はびっくり仰天した.上に述べた解釈の問題,および量子力学における物理的実体の問題が真正面から詳論されている.……時宜を得たイクサイティングな出来事である.」(本書・高橋康「まえがき」より)